通常モードに戻ります ― 2011/06/11 19:59
この2週間ほど、締め切りのある仕事に追われていて更新が滞ってしまいました。金曜日に終わりましたので、また通常モードに戻ります。ブログを見に来てくださった方大変失礼しました。また、過去ログを読んでコメントくださった方ありがとうございます。できましたら、お名前(ハンドルネーム)、メール・アドレスなどご連絡ください。
証拠金管理プログラム「OPMargin」ですが、試作版を提供したのですが、いろいろと問題があり、皆さんの環境ではうまく動かず、大変ご迷惑をおかけしました。来週、他の方のご協力をいただき、集中テストを行い原因究明して再度、試作版をご提供する予定です。もうしばらくお待ちください。
また、2003年版も、その後すぐにご提供する予定です。このブログで状況をご報告いたします。相場もちょっと波乱含みですので、うまく動かして皆様のお役に立てたいと思っております。
近々発行の「日経ヴェリタス」に実名、顔出し(?)で登場する予定ですので、購読されている方は探してみてください。
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カブドットコム証券 ― 2011/06/13 19:50
証拠金管理プログラムの試作版提供をするにあたり、ご興味ある方にアンケートを実施しました。その中で、取引している証券会社を書いていただいたのですが、震災後の一連の騒動の中でも、オプションの売り禁止にならなかったカブドットコム証券で取引をされている方が思いのほか少ないのが目につきました。正直言って、私もどうもここの「kabu ステーション」というのは使いにくくて、敬遠しています。注文して、訂正しようと思っても、なんか全体の見通しが悪くて、訂正の画面にすぐに行きつかなかったり、約定の確認も、さっと出てこなくてとにかく使いづらいです。
それと、どうしてもここの証拠金チェックには納得がいきません。ホームページのうたい文句は、
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カブドットコム証券の先物・オプション取引はCME ® よりリアルタイムSPAN ® 計算プログラムのライセンスを取得し、リアルタイムSPAN ® に対応しています。注文および既存建玉との合成ポジションを自動的に計算できるようになったため、より少ない証拠金でお取引いただけます。リアルタイムSPAN ® 対応により、証拠金の解放は即時に行ないます。
従って、すぐに新規建てができますので、より機動性の高いお取引が可能となります。
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となっているので、売り買いを組み合わせて、各種スプレッドの注文時は、両方を勘案して注文を受け付けてくれるように見えるのですが、どうも様子が変です。以前も、8500のプットを2枚買って、8750円のプットを2枚売ろうとしたら、証拠金チェックに引っかかってしまい、注文が入りませんでした。しょうがないので、売りの枚数を1枚に減らして約定。だめもとで、さらに1枚売りの注文を入れたらこれが通って、無事2枚目も約定しました。しかし、変ですよね、2枚まとめての売り注文は通らずに、1枚ずつバラバラだと通るというのは??おまけに、本来1件の注文で済むものが2件に分かれたので、わずかとはいえ手数料だって倍になってしまいます。
こんなことを何回か繰り返しているうちに、ここの証拠金のチェックはおかしいことに気が付きました。
きょうもこのブログを書くために、こんな注文を出してみました。
まず、7月限月8250円プットを1枚買ってから、7月限月8000円プット1枚の売り注文を出してみました。他のポジションはないので、証拠金を、「OPMargin」で計算してみると、シナリオ17、すなわち、1枚の売り最低証拠金が適用になって、Span Riskが15,000円でネット・オプションバリューが-4,000円なので、証拠金=15,000-4,000=11,000円 となるはずですが、証券会社の注文画面に出てくる必要証拠金額は、166,300円 となっています。この違いはいったい何なのでしょうか?
ここで、「OPMargin」の画面をよく見てください。8000円プットの証拠金は、Span Risk: 149,300円 – NOV: (-17,000円) = 166,300円になります。プライススキャンレンジが600,000円と極めて高いことと、裸売りを防ぐ意味から8250円プットを先に買ったのですが、これがまったく勘案されずに、証拠金のチェックが行われているのです。
実際に売り買い両方が約定すると、目出度く、証拠金は11,000円となるのですが、もし、現金残が150,000円しかないと8,000円プットの売り注文ははじかれてしまいます。「注文および既存建玉との合成ポジションを自動的に計算できるようになったため、より少ない証拠金でお取引いただけます。」本当ですか??
「十分余裕がある証拠金で取引してください。」ということでしょうが、まさに「看板に偽りあり!」です。
さらに、カブコムでは、両建証拠金というよくわからない制度があります。例えば、8000円プットを1枚買って、その後、1枚売ると、ポジションの上ではゼロのはずですが、両建なので、売り証拠金166,300円の半分、83,150円を証拠金に上乗せされてしまいます。証券会社の立場から、安全性を考えて、ということなのでしょうが、これが本当に投資家を保護していると思っているのでしょうか?
これでもSpan 100%と主張しても、賢い投資家は、「なんか変だぞ」と気が付いて、他社に行ってしまうことをいつか気が付いてほしいものです。
証拠金管理プログラム「OPMargin」、エラーの原因が特定できましたので、数日中に再度試作版がリリースできそうです。もうしばらくお待ちください。
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リアルタイム証拠金予測 ― 2011/06/16 15:26
本日の引け値ベースで証拠金管理プログラム「OPMargin」で証拠金の予測値を計算してみました。
昨日までのテストでエラーの原因を特定できましたので、試作版を今晩にでもリリースしようと考えています。
機能を追加して、画像のような一覧表も出せるようになりました。
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SPANパラメータ (2011/6/27-7/1) ― 2011/06/17 18:19
金曜日ですので来週月曜日発表のプライス・スキャンレンジとボラティリティ・スキャンレンジを計算しました。
現在の6.18211%と、15.8%は、9/9まで続きます。このパラメーターが上がることはありますが、下がるのは9/12以降になります。
本日の終値が9,351.40円でしたので、プライス・スキャンレンジは600円 =ROUNDUP(9,351.40*6.18211%/30,0)*30 になります。
From |
To |
IV Scan |
Price Scan |
Price Scan % |
6/13 |
6/17 |
15.8% |
600 |
6.18211% |
6/20 |
6/24 |
15.8% |
600 |
6.18211% |
6/27 |
7/1 |
15.8% |
600 |
6.18211% |
7/4 |
7/8 |
15.8% |
|
6.18211% |
なお、本日の基準ボラティリティは、23.24%と上昇です。
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証拠金管理プログラム「OPMargin_V3」 EXCEL 2007/2010バージョンを本日、アンケートに回答してくれた方に配布しました。うまく動いたでしょうか、気になってしょうがありません。皆様からの連絡を待っております。
大きな問題がなければ2003バージョンを週末にと思っていますが、どうでしょう。
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VBA第一歩 -- マクロの記録 ― 2011/06/20 19:17
証拠金管理プログラム「OPMargin」は、金曜日に試作版(2度目)をリリースして、無事動作確認のご連絡をいただいてほっとしているところです。ご要望に基づき一部手直しも先ほど完了したばかりです。
そんな関係でここの所、EXCEL漬けの毎日を送っています。このブログのサブタイトルは「Span証拠金とVBA」となっていますが、気が付くと証拠金の話題が中心でVBAの話があまりなかったので、きょうはVBAの話を軽くしたいと思います。
VBAといっても??の方もいると思いますが、VBA: Visual Basic の略です。別の言い方をすれば「EXCELのマクロ」です。もっとわかりやすく言えば、普段EXCELの操作で、
セル A1に、=50000 と入力して、
セル B1に =IF(A1>10000,”基準金額以上です”, ”基準金額以下です”)
こんな入力作業を自動化するプログラムがVBAです。VBAはいわば毎日EXCELでやっている定型的(同じ)操作を、自動化してしまおうというものです。
「プログラムなんて絶対無理」という人も、この程度のプログラムですと作ることができます。正確にいうと、作ってもらえます、かもしれません。皆さんのEXCELにある「マクロの記録」にプログラムを作ってもらいましょう。簡単ですよ。
EXCEL 2007 / 2010ですと、上の図のように開発タブを選択してください。選択すると、普段あまり見慣れない開発タブのリボンが出てきます。この中のマクロの記録をクリックします。
そうすると、この画面になります。細かいことは抜きにして、OKを押してみます。そうすると普通の画面に戻りますので、
セル A1に、=50000
セル B1に =IF(A1>10000,”基準金額以上です”, ”基準金額以下です”)
と入力してみます。
そして、リボンの先ほどクリックした「マクロの記録」の部分を見ると、いつの間にか「記録終了」になっていますので、これを押します。これでプログラムを作ってもらうことができました。この程度でしたら、「プログラムは無理」と思っていた方にも簡単にできますよね。
どんなプログラムができたのか、見てみましょう。リボンの一番左のVisual Basic (ここでVBAが出てきましたね)というのを押してみましょう。
多少の違いはあるかもしれませんが、上の図みたいな画面が出てきたのではないでしょうか。慣れてくると、この記録ではなくて、同じ動きをするプログラムが作れるようになります。まぁ、きょうは深入りせず、右上のxを押して、この画面を閉じて、このプログラムを使ってみましょう。
マクロを記録したSheet1には、すでに、この数式が入っているので、別のシート(例えば Sheet2)を選択します。
開発タブの、リボンの一番左のVisual Basicと、マクロの記録の間に「マクロ」というボタンがあるのでこれを押すと下のようなポップアップが出てきます。
このMacro1こそ先ほど記録したプログラムです。単に実行を押すと、セル A1とB1はどうなっているでしょうか?
普段繰り返しやっている作業をぜひマクロの記録で自動化してみてください。
興味を持って続けると、証拠金の計算やブラックショールズ式の計算だって、このVBAでできるようになります。
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EXCEL関数 Black_Scholes ― 2011/06/21 20:03
先週末にリリースしました証拠金管理プログラム「OPMargin」ですが、無事動いたというご連絡が相次ぎうれしい次第です。
- 動作の方は見事正常に動きました。
- 正常に動作しています。非常に便利で感謝しております。
- 動きました。エラーなしです!自宅でイブニングタイムに使わせていただく予定です。
などご報告をいただいております。ただ、EXCEL 2007/2010の場合はVBAとアドインを使うための設定がややこしくて、まだ動かすことができない方がいるようで、このあたりの対策を何か考えなくてはいけないと思っています。
きょうは、2007/2010バージョンを、EXCEL 2003用に変換する作業をしました。変更する箇所はそれほど多くなくて、意外とすんなりと終了して、先ほどアンケートをいただいていた方にお送りしました。
久しぶりに、2003を使いましたが、慣れていることもあるかもしれませんが、断然2003の方が使いやすいですね。動きも、2003の方が早い気がします。感覚的な言い方ですが、2007/2010は、見た目にばかりに気を使って、表計算のシンプルさが失われた気がしてなりません。
「OPMargin」では、証拠金を予測する機能も備えている関係から、ブラック・ショールズ式(BS式)でオプション価格を計算しています。せっかく、BS式をVBAで組み込んだので、これを簡単に使えるようにEXCELの関数を作ってみました。ご存知の方もいると思いますが、EXCELでは、自分で関数を作ることができます。ユーザー定義関数と呼ばれるのですが、どういう処理をするかにもよりますが、意外と簡単にできます。
BS式でオプションの価格を計算する機能は証券会社のサイトにも備わっていますが、皆さん使っていますか?正直言って使いにくいですし、大証から発表されたIVを式に入れても、価格は終値に近い数字とはいうものの一致しません。なかなか、これだというものが見つからないのが実情です。
「OPMargin」の宣伝も兼ねて、今回作った関数を紹介します。
関数の名前は、そのものずばりで Black_Scholes です。入力項目は、日経平均、プットはP、コールはC、7月限月は1限月なので1、権利行使価格7500、
そして大証発表のIV 52.2256% と基準日が今日だったら0。ちなみに、明日だったら1、昨日だったら-1というように日にちの調整を入れます。
計算結果はご覧の通り。証券会社のHPで、2011/6/21の7月限月プット7500円の終値とIVを調べて照合してみてください。
「OPMargin」にはこんな関数もついてきて、ご自分のEXCELで使えます。この関数とゴールシークを組み合わせれば、IVの算出もできます。どうやるかは次回のお楽しみということにします。
業務連絡です。昨晩、コメントをいただきましたHOさま。メールをお出ししたのですが、戻ってきてしまいました。再度、コメントよろしくお願いします。
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SPANパラメータ (2011/7/4-7/8) ― 2011/06/24 16:01
金曜日ですので来週月曜日発表のプライス・スキャンレンジとボラティリティ・スキャンレンジを計算しました。
現在の6.18211%と、15.8%は、9/9まで続きます。このパラメーターが上がることはありますが、下がるのは9/12以降になります。
本日の終値が9,678.71円でしたので、プライス・スキャンレンジは600円 =ROUNDUP(9,678.71*6.18211%/30,0)*30 になります。
From |
To |
IV Scan |
Price Scan |
Price Scan % |
6/20 |
6/24 |
15.8% |
600 |
6.18211% |
6/27 |
7/1 |
15.8% |
600 |
6.18211% |
7/4 |
7/8 |
15.8% |
600 |
6.18211% |
7/11 |
7/15 |
15.8% |
|
6.18211% |
なお、本日の基準ボラティリティは、17.28%と下落です。
ついでに1限月の主要銘柄の証拠金です。
権利行使価格 |
プット・コール |
現在値 |
証拠金 |
SpanRisk |
IV |
9,500 |
C |
250 |
801,900 |
551,900 |
20.04% |
9,750 |
C |
100 |
586,000 |
486,000 |
17.98% |
10,000 |
C |
29 |
461,200 |
432,200 |
17.46% |
10,250 |
C |
8 |
371,500 |
363,500 |
18.40% |
10,500 |
C |
2 |
292,500 |
290,500 |
19.33% |
10,750 |
C |
1 |
218,900 |
217,900 |
21.99% |
6,500 |
P |
1 |
17,000 |
15,000 |
79.06% |
7,000 |
P |
2 |
21,200 |
19,200 |
65.53% |
7,250 |
P |
3 |
33,200 |
30,200 |
61.99% |
7,500 |
P |
3 |
45,700 |
42,700 |
55.43% |
7,750 |
P |
4 |
68,400 |
64,400 |
50.94% |
8,000 |
P |
5 |
99,900 |
94,900 |
45.92% |
8,250 |
P |
6 |
143,200 |
137,200 |
40.52% |
8,500 |
P |
10 |
204,300 |
194,300 |
37.09% |
8,750 |
P |
12 |
273,000 |
261,000 |
31.20% |
9,000 |
P |
19 |
351,600 |
332,600 |
26.71% |
9,250 |
P |
34 |
437,100 |
403,100 |
22.45% |
9,500 |
P |
70 |
537,200 |
467,200 |
18.52% |
9,750 |
P |
170 |
703,100 |
533,100 |
16.59% |
10,000 |
P |
345 |
929,200 |
584,200 |
14.12% |
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It's Greek to me (1) ― 2011/06/26 13:56
これまで、証拠金とEXCELが話題の中心でしたが、こう見えても結構GREEKには詳しいです。
こんな書き方をすると、ここで読むのをやめてしまう方が出たり、ブログ炎上にもなりかねないのですが、これはある意味本当です。「ある意味」です。
種明かしをすると、もうだいぶ昔の話になるのですが、ギリシャに3年間住んでいたことがあります。ですから、皆さんより「GREEKに詳しい」というのはある意味本当だと信じていただけるのではないでしょうか。
英語で、It’s Greek to me! がどういう意味かご存知でしょうか。これは、ギリシャ語の難しさから、「ちんぷんかんぷんだ」、「訳が分からない」というような意味になります。アメリカ、カナダ、オーストラリアにはギリシャ移民が多いこともあり、結構頻繁に使われています。実際には、ギリシャ語というより、ギリシャ人の気まぐれさや身勝手さを皮肉っているのが由来だという方が正確かもしれません。そんな、ギリシャ人に、It’s Japanese to me! とよく言われました。日本の漢字は絵みたいで全くちんぷんかんぷんだというのが表面上の解説ですが、やたら生真面目な日本人の考え方は、正反対のメンタリティーのギリシャ人から見たら理解できないというのが本当のところでしょう。
ギリシャ語の文字は、アルファベットと同じものもありますが、○×△みたいで、文字より一歩手前の「記号」という印象が強いです。この○は、英語でいうOですが、Oをアルファベットで次のPに替えて、並び方を△P×(正確には ΔΡX)にすると、我々の身近な問題に深くかかわってきます。昨年来、ギリシャ問題がマーケットの大きな不安定材料になっていますが、それはまさにこのΔΡXのせいだといえます。ΔΡXはユーロへ統合前のギリシャ通貨ドラクマの略です。ユーロもドラクマを仲間に入れなければ、こんな問題にはならなかったのではないでしょうか。ちなみに、Δはデルタで英語のD、Ρはピィーではなくてギリシャ語ではRになります。XはクリスマスをX’mas と書くのを思い出すとΔΡXがドラクマの略になるというのがなんとなくわかると思います。
ところで、皆さんは、ギリシャ語で「自分」のことを何というか知っていますか?
即座に答えられる人はいないと思いますが、おそらくほとんどの人が知っている単語です。
「エゴ」です。そうです、エゴイズムは、ギリシャ語のエゴ、自分から来ているのです。ギリシャ人とはそういうメンタリティーの民族です。
私のギリシャの昔話になってしまいましたが、今回のギリシャ危機の行く末を示唆しているかもしれません。国が破たんの危機に瀕している時に、ギリシャの指導者と国民が「エゴ」を中心に考えて下す結論は、日本人の我々から見て、It’s Greek to me!! なものになる可能性が大です。あまり、先読みでポジションを傾けない方が賢明でしょう。
さて、話は変わりますが、先日紹介した EXCELのBlack_Scholes 関数を使って表を作ってみました。7月限月の9000円PUTの価格の動きを、Black_Scholes 関数を使って、シミュレーションしたものです。
まず縦軸は、セル A10に大証発表の6/24のこの銘柄のIV 26.7062%を入れて、以下27. 7062%、28. 7062%と1%ずつ増やす数字を入れます。次にセル B7からの横軸には今日(6/26)をゼロとして、1日前は-1、1日後は+1というように日数の調整値を入れます。その下の8行目にはわかりやすいように日付を入れておきます。
セル B10には、=Black_Scholes(9678.71,$B$4,1,$B$3,$A10,B$7) という式を入力します。計算結果の19.00は、2011/6/24の7月限月Put9000円の終値と一致しています。セル B10をコピーして、セル F17の範囲まで貼り付けます。この結果、例えば、セル F15は、縦軸と横軸から6/28にこの銘柄のIVが31.71%であると価格が19.05円、すなわち6/24の価格と変わらないということを表しています。言い換えれば、IV 5%の上昇と6/24から6/28までの時間価値の減少がほぼ等しくなるということになります。なんとなくどこかで聞いたことがあるような話だと思いませんか?
最後に、セル E3とE4を見てください。これらのセルに入っている数式は、隣に表示してあります。セル E3は、6/24にIVが1%上がると価格はセル B11の21.94から、この日の終値19.00を引いた2.94上昇することを示しています。セル E4は、日経平均も、IVも同じでも世の中が6/24から6/25に1日進むことによって、オプションの価格が、セル B10の19.00からセル C10の16.29に、2.71下がることを示しています。
もう説明するまでもないと思いますが、E3の2.94がκ(カッパ)、E4の-2.71がθ(シータ)になります。ちなみにベガはギリシャ語ではないので、カッパを使いましょう。
複雑な確率累積密度関数や偏微分の数式や説明抜きに計算するκやθは、It’s Greek to you. だったでしょうか。
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